こんにちは。今日は、改めてですが現在のデータベースのトレンドを調べてみたので、分かったことをまとめておこうと思います。
なお、データは2022年3月末時点のものを確認しています。また、グローバルでのトレンドになるため、日本ローカルのトレンドではない点にもご注意ください。
それではまいります。
Contents
DB Enginesがおすすめ
まず、今回トレンドを探るにあたって以下のサイトを活用させていただいたので紹介しておきます。
https://db-engines.com/en/ranking
このサイトは、グローバルのデータベース製品のトレンドを、様々な角度から評価してスコアリングして、ランキング形式でまとめてくれているサイトです。
公式ページの説明によると、”トレンド”は以下の要素から評価しているようです。
- 検索エンジンで検索された数(GoogleとBingが対象)
- 一般的な関心(Google Trendでの検索頻度で計測)
- 技術ディスカッションの多さ(StackOverflow、DBA StackExchangeから集計)
- 求人の多さ(Indeed, Simply Hiredという求人サイトでの求人数を集計)
- プロフェッショナルの多さ(Linked Inで専門スキルに登録している人を集計)
- 話題の多さ(Twitterでのツイート回数を計測)
これらを標準化して平均することでスコアが算出されているようですが、あるサービスAのスコアがサービスBのスコアの2倍であれば、2倍人気がある、と解釈できるように考慮されているようです。
製品のインストール数という直接的な指標をカウントしているわけではないですが、こうした人気と相関する(人気が先行指標となる)との考え方に基づいているようです。
上記説明の原文は以下からも確認できます。
https://db-engines.com/en/ranking_definition
データベース全体
https://db-engines.com/en/ranking_trend
データベースにはSQL / NoSQLとカテゴリが分かれていますが、はじめに全体トレンドを確認しておきます。
- Oracle, MySQL, Microsoft SQL Serverが圧倒的トップ。(y軸が対数スケールな点に注意)ただし、上昇トレンドというよりは、維持または微減傾向。
- PostgreSQL、MariaDB、Snowflakeに加えてクラウドデータベースのAzure SQL Database、Azure CosmosDB、Amazon DynamoDB、Google BigQuery、NoSQLのMongoDBが目立った上昇トレンド。
- Postgre、MariaDBが伸びている理由は分からないですが(クラウドデータベースでエンジンとして選択できるようになっているから?)、全体としてデータベースのクラウド化は進んでいる模様。
- BigQueryやSnowfakeなど、分析に適したデータサービスの人気も高まっている
- Microsoft SQL Serverは微減ですが、Azure SQL DatabaseもSQL Serverエンジンなので、Azure SQL Databaseが増加傾向であるところをみると、クラウド移行が進んでいるということかも
RDBMS (Relational Database Management System)のトレンド
- RDBMS自体の人気が落ちてきている、といったことはなさそう(そりゃそうだよね)
- 先ほどのランキングでは見えなかったけど、分析に適したクラウドデータサービスのAmazon RedshiftやAzure Synapse Analytcisも上昇傾向
Key-Valueストアのトレンド
- Redisの人気が圧倒的、かつ引き続き上昇トレンド
- 次点をAmazon DynamoDB、Azure CosmosDBとクラウドデータベースが追随。いずれも上昇トレンド。
ドキュメントデータベースのトレンド
- MongoDBが圧倒的に人気。長期的にはまだ上昇トレンドですが、昨年比だと微減。
- Key-Valueストアと同様、次いでクラウドデータベースのAmazon DynamoDBとAzure CosmosDBが追随。短期的にも長期的も上昇トレンドが継続。
- 真ん中のグループの中ではGoogleのFirebase(これまたクラウドデータベース)の人気上昇が継続中。クラウド勢つよし。
Graphデータベースのトレンド
- Neo4jというオープンソースデータベースが一番人気。
- 次いでAzure CosmosDB。Azure CosmosDBやAmazon DynamoDBなどはKey-Value, ドキュメントなどと複数のデータ構造に対応しているので、果たしてこのスコアがどのデータ構造の利用で稼がれているのかは?と思ってきました。が、サービスとして人気であることには変わりないですね。
時系列データベースのトレンド
- 最近は時系列データの分析や機械学習への活用も活発だからか、このデータベースカテゴリでは中長期的には右肩上がりのサービスが多いように見えます。
- 一位はInfluxDBというオープンソースのデータベース
- この領域だとクラウドデータベースが少ない?13位にAmazon Timestreamがありますが、AzureやGoogleのクラウドでは時系列に特化したデータベースはまだない?もしくは既存のデータベースでユースケースを吸収できるから開発予定がない・・?今後の動きに注目したいです
以上、ざっくりですがデータベースの現在のトレンドを眺めてみました。DB-Enginesはとても活用できそうですので、今後も定期的にチェックしていきたいと思います。
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おしまい
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